知っておこう! 強制力や期間で異なる税務調査の種類
税務調査とは何をするのか
税務調査とは、国税庁や税務署などの税務当局が、納税者(個人や法人)が適切に税金を申告し、納付しているかを確認するために行う調査のことです。具体的には、以下のようなことを行います。
書類の確認
納税者が提出した申告書、会計帳簿、領収書、請求書などの書類を確認し、記載内容に間違いや不正がないかをチェックします。
取引の確認
納税者が実際に行った取引が申告内容と一致しているか、取引先や金融機関への確認などを通じて調査します。
面談やヒアリング
税務調査官が納税者や経理担当者に対して、申告内容や取引の詳細について質問し、不明点や疑問点を解消するためのヒアリングを行います。
現地調査
必要に応じて、納税者の事業所や工場などを実際に訪れて、現場の状況を確認することもあります。
調査の結果、申告内容に誤りや不正があった場合には、修正申告や追徴課税が求められることがあります。
税務調査の種類
税務調査にはいくつかの種類があり、それぞれ調査の目的や手法が異なります。主な税務調査の種類は以下の通りです。
任意調査
通常、税務調査と言えばこの任意調査を指します。事前に税務署から調査の通知があり、指定された日時に税務署や納税者の事業所で行われます。納税者には調査に協力する義務がありますが、調査自体は納税者の協力を前提としたものです。
任意調査には、主に中小企業や個人事業主を対象とし、過去数年間の申告内容について確認する一般調査と、納税者に関する情報を第三者(取引先や銀行など)から収集する反面調査があります。
強制調査(マルサ)
強制調査は、脱税などの重大な税法違反が疑われる場合に行われる調査で、「マルサ」とも呼ばれます。これは、納税者の同意を得ずに行われ、裁判所の令状に基づいて、税務調査官が突然訪問し、帳簿や資料を押収することがあります。
裁判所の令状があるため、納税者の同意なしに調査が行われ、重大な脱税が発覚した場合、刑事告発されることがあります。
相互協力調査
国際的な取引を行う企業を対象に、外国の税務当局と協力して行われる調査です。特に、移転価格税制や二重課税の問題に対応するために行われます。
特別調査
特定の業種や大企業、特定の税目に関して行われる調査です。例えば、消費税の還付申告や、特定の税額控除を受けている企業に対する調査がこれに該当します。
現地調査(実地調査)
納税者の事業所や工場、倉庫などを訪問して、実際の業務状況や在庫の有無を確認する調査です。主に製造業や小売業などで、帳簿と実際の在庫が一致しているかを確認する目的で行われます。
これらの調査は、税務署の判断や納税者の状況に応じて実施され、調査結果に基づいて追徴課税や修正申告が求められることがあります。
無申告での調査とは
無申告の場合の税務調査は、納税者が法定の期限内に税務申告を行わなかった場合に、税務当局が実施する調査です。無申告のまま放置しておくと、追徴課税や罰則が科される可能性があり、税務署はこのようなケースを特に重視して調査を行います。
無申告の場合、税務署は悪質な意図があると判断することが多く、通常の任意調査ではなく、強制調査が行われる可能性があります。強制調査では、事前の通知なしに税務署員が突然訪問し、必要な資料や証拠を押収することがあります。
税務署は、銀行口座の取引履歴や取引先の情報などを基に、過去の収入や取引を確認します。これにより、申告漏れや過少申告の事実を明らかにし、適正な税額を算出します。
無申告であることが確認された場合、通常の税額に加えて、無申告加算税や延滞税が課されます。特に、悪質な場合は、重加算税が課されることもあります。これにより、最終的な税額が大幅に増加することがあります。
無申告が故意であり、しかも大規模な脱税が認められた場合、税務署は刑事告発を行うことがあります。これにより、罰金刑や懲役刑が科される可能性もあります。
調査への対応
無申告で税務調査が行われる場合、早急に対応することが重要です。以下の点に注意してください。
自主申告の検討
税務署からの調査が入る前に、自主的に申告を行うことで、ペナルティが軽減される可能性があります。
専門家への相談
税務に関する専門家(税理士や弁護士など)に相談し、適切な対応を取ることが推奨されます。特に、税務署との交渉や調査対応に慣れている専門家の支援は有効です。
無申告での調査は厳格に行われるため、事前の準備と適切な対応が必要です。
まとめ
東京新宿クラウド経理・労務サポートでは、今回紹介したような税務調査といった事態にならないよう、税務関連についても専門家が日頃からしっかりと管理し、法的措置を事前に防止することが可能です。
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